2024年で読んだ本のBest/Worst3をまとめてみました。
BEST3
◉ 科学的根拠に基づく最高の勉強法
心理学や各種実験結果に基づく科学的根拠をもとに、実際の学習に役立つ多くの知見が詰まっています。
まず1章では、科学的に効果の高くない勉強法について明確に指摘しています。例えば、繰り返し読む(再読)やノートに書き写す行為は、短期的には効果があるものの、長期的な記憶や理解にはつながりにくいと述べられています。また、ハイライトや下線を引くことも効果が薄いとされています。普段行っている勉強法を見直すきっかけとなるでしょう。
一方で、効果的な勉強法として、アクティブリコールや分散学習、精緻的質問と自己説明、インターリービングなどが紹介されています。アクティブリコールは情報を積極的に思い出すことで記憶を強化する方法であり、分散学習は学習を複数のセッションに分けて行うことで記憶の定着を図る方法です。また、精緻的質問と自己説明は、学習内容を深く理解するための手法として有効です。
残念な点としては、本書の後半で、個人的には著者の実例が少なくなった点が残念でした。1章や2章をさらに詳しく書いてほしかったという気持ちが強いです.逆にいうと、2章までが本書の強みであり、多くの読者が知りたいところであると言えます.
◉ 2045 不都合な未来予測48 生成AIが開けた扉の向こう側
SF映画を観てるような、日常では考えることがない遠い未来を考える本として面白かったです。
大項目としては以下の区分けでした。ここからわかるように、かなり未来の推測を話しています。
・生成AI黎明期 2025年~2030年
・生成AI成熟期 2030年~2035年
・AGI 誕生期 2035年~2040年
・ASI誕生期 2040年~2045年
本屋でよく見かける和訳書かつ分厚い未来予測本よりも、かなり簡単に書かれており、未来を想像する入口としてはかなり良いと感じる。著者はSF映画が好きだと推測しているが、そこがわたしとハマったということもあります。
◉ できる40代は、「これ」しかやらない 1万人の体験談から見えてきた「正しい頑張り方」
シンプルな文章であるものの、身近か著者に関した事例を扱っていてわかりやすいです。
30代の似たようなシリーズ2冊を読んでいますが、この本が一番参考になるし、言っていることが的を射ていると思います。
小タイトルに対する回答と言いたいことがわかりやすく表現されていて、かつ納得がいくものが多かったです。おそらく、30歳以降が読んでも刺さるはずです。
難点としては、人生のパラメータのうち、『仕事』『人間関係』が多い点。豊富なバリエーションと観点があっても良かったかもしれません。
マンガ編
◉ 灼熱カバディ (1) (裏少年サンデーコミックス)
約9年の連載を終えた作品。全話無料公開記念をやっているタイミングで読んでみました。
読むきっかけになったのがYouTubeチャンネル『ウラ漫 ー漫画の裏側密着ー【小学館マンガワン】』。
カバディって名前は知ってるもののどんな競技なんだ?どんなマンガなんだ?と思って読み始めましたが、とにかく面白いです。
特に、1巻でデビュー作であるのに、絵がうますぎます。
謎すぎるカバディというスポーツを知れて、その点でも面白いです。
◉ ONE PIECE 110 (ジャンプコミックス)
Dr. ベガパンクの放送が行われるか阻止されるか、から始まる最新刊。
この巻はとにかくワクワクしっぱなしです。闘いに新事実にさまざまな展開が起きて、これからを非常に楽しみにさせる物語となっていました。
WORST3
テ▲D14 地球の歩き方 モンゴル 2024~2025 (地球の歩き方D アジア)
地球の歩き方の中でも、群を抜いた役立たなさです.
まず、本の厚さに対して、旅行に役立つ現地の情報が少なすぎます.
特にウランバートルが最悪です.ほとんどの日本人がウランバートルからスタートされる点を考えて、もっと充実させる&最新化すべきはずです.
ガイドブックであり、モンゴル百科と旅の技術をメインであってはならず、もっとモンゴルの良さを出すべきではないでしょうか.
地球の歩き方は、宿と各種価格については参考程度で留めないと、現地で痛い目を見ます。最新はネットで取得する必要があることを学びました。
▲文庫 アインシュタインの旅行日記 日本・パレスチナ・スペイン (草思社文庫)
相対性理論発表後のアインシュタインが、全体旅程半年、約1.5ヶ月間の日本滞在を含む船旅を記録した貴重な日記です。
気になるのは、肝心の旅日記が全体の約1/4に過ぎない点です。
チューリヒ/ベルリンから日本への往復が描かれているため、実際に日本が取り上げられる部分は非常に限られています。
和訳書として出版されている以上、日本に特化した記述を期待していた読者も多かったはずで、その期待に応える内容には遠く及ばないです。
次に、旅日記自体の内容についてです。
本書の旅日記は、もともと公開を前提として書かれたものではなく、むしろアインシュタイン自身のメモに近いものです。
確かに、その時々の心情や旅の様子が断片的に綴られており、科学者としてのアインシュタインの素朴な一面を垣間見ることができる点は興味深いです。
しかし、日記というよりは、箇条書きのようなメモのため、ストーリー性や文体の統一感を期待して読むと、かなり物足りなさを感じます。
日記というのは人に見せるものでないな、と改めて感じました。著名人でも、きちんと製本向けに整理されているものを読もうと決めました。
▲老化は治療できるか (文春新書)
著者は医者でなくノンフィクション作家のため、専門家の話を聞いた内容を書いているのみ。特にまとめているものでもない。また、5章以降は一般論が増えるため、4章まで読めば良いと思われる。
紹介されている内容はたしかに新しい研究が含まれているが、とにかく読みづらい。著者は医師や研究者でない観点で一般人のインタビューと変わらないこと、考えの軸はなく学びのまとめもない。
この本を読んでも、治療して長生きできはしない。長生きに向けて行動を変えたいなら別の本を読むべきと思う。本書にまとめられている観点が、長生きに関係しそうな身体の仕組み、将来治療になりそうな研究内容がほとんどだからである。治療する名称や具体的な検査治療内容は登場しない
健康志向の高まり、医学分野の進歩から、こういった本が増えていくと考えています。ただ、書いている人の精査は重要であり、医療機関・研究機関に所属している人の著書を選ぼうと思いました。
まとめ
最近では本を読む人が少ない、と言われるようになりましたが、本屋では今までにないくらいの刊行が続いています。
ただ、本屋で見かけた面白そうな本の”アタリ”の数が格段に減ってきたという印象を受けています。
それは、どうもタイトルや表紙に騙されている感じがあり、その選定が難しいところにあるかもしれません。
買った本を隅から隅まで読むのではなく、内容や満足度に合わせて読む力を鍛えていく必要があると感じました。