“日本に住んでる世界のひと”の感想

日本に住んでる世界のひと

来日した理由はさまざま。暮らしぶりも十人十色。 一人ひとりのストーリーを通して見えてくる普段の生活、そして難民問題、地球温暖化、ジェノサイド、民主化運動、差別の歴史など。

アイスランド、南アフリカ、スペイン、バルバドス、メキシコ、中国、イタリア、ミャンマー、セネガル、モルディブ、韓国、エストニア、フィリンピン、アルメニア、東ティモール、北マケドニア、アメリカ、中国・内モンゴル自治区、コンゴ民主共和国… 18組20人の話を聞いて文と絵にした記録。

項目内容
書籍名日本に住んでる世界のひと
著者金井真紀
ジャンル文芸・人文、紀行エッセイ
出版年月日2022年11月17日
判型・ページ数四六判、240ページ
定価1,760円(本体1,600円+税)
内容エストニア、メキシコ、ミャンマー、韓国などから来た18組20人の在日外国人のストーリー。普段の生活や入管法、難民問題、差別の歴史についても言及。
https://www.daiwashobo.co.jp/book/b612701.html

感想と評価

本書は、日本在住の外国人らへ行ったインタビュー集.国籍は重複がなく、隣国もあれば、遠いアフリカの国もいた.“さいごに“に書いてあるが、日本では馴染みの薄い国だけのインタビューとなることは避けたようでその成果ともいえる.それゆえか、日本へ来た理由が内的思考や外的要因などさまざまなものが登場していた.そして日本でやっていることもさまざまだった.

本作成のプロセスも興味深く描かれている.インタビュー対象者の選定から始まり、彼らの物語をどう繋げるかという模索が、読み手にも新鮮な視点を提供している.ここまでのいろいろな国の方とつながりを作った著者は素直にすごいと思った.

特に印象深かったのは、以下の2つの物語です。まず、内モンゴル自治区から来た方の話で、彼女の強い意志と逆境を乗り越える力に感銘を受けました.

1人目は、内モンゴル自治区の方.こちらは人物に圧倒されたが、とにかく行動力がすごい.思ったことに注力して、抜本的方向転換も厭わない決断力が素晴らしくて見習いたかった.彼女は、困難な状況の中で自らの事業を立ち上げ、数多くの障害を克服した.その力強い決断と行動力に、深く感動した.

2人目は、アイスランド人.仕事を掛け持ちする風土はいいなと思った.
彼の提供しているサービスのサイトを見ることができる.

この本は、外国人が居住先として、世界各国の中から日本を選んだ理由がわかる.逆の観点でいうと、外国人に対する日本の良さを学べるともいえる.ただし、今の日本は長いデフレ・少しずつ始まっているインフレの波があり、世界から日本を選んでもらわないといけない立ち位置の違いが生じている.この本から、どのように未来を進めば、外国人が日本を選んでもらえるか?を考える材料になるかもしれない.更には、日本から海外へ出て頑張りたいとき、どの国で何を頑張るか?を考えるヒントになるかもしれない.

この本が少しもったいないと感じる点は、主観が多いこと.インタビュアーが著者であるので、著者の個人的な意見が随所に見られるが、それがインタビュイーのリアルな声を際立たせている部分もあります.時に読者には主観的に感じられるかもしれない.脳内のコントともいえる駄文が不要であった.質問も統一されてはおらず、聞きたいことを聞いている印象が強い.また、著者の専門や文章の特徴は特になく、インタビューの内容がただそのまま書かれているだけでもある点がもったいないと感じた.

手描きでインタビュイーを表現している点は面白くこの本ならではの暖かさを感じるものの、当人を読者が認識しづらい.言い換えると熱を感じなかった.食べ物やインタビュイーの想い出などが写真で紹介されるなど、エビデンスというかリアルがわかる仕組みがほしいなと感じた.

この本に書いてあることは、あくまで一人ひとりの人生の一端にすぎない.国を代表したものでもなければ、時代を反映した内容でもない.そして、インタビュアーによる引き出しによるものであることは忘れてはならない.それでも、色々な国の文化の側面を知ることに役立つ.

この本は、異文化理解に興味のある方や、多様なバックグラウンドを持つ人々のリアルな声を知りたい方にオススメします.日本という国を異なる角度から見る機会を提供してくれます.多様性の大切さを再認識できるでしょう.

Impressive reviews from other watchers

Positive

ほっこり系の移民本。星7つくらい付けたい。

私は北関東生まれの40代のオジサン。小学校時代の外国人(ルーツ含む)の友人を思い出すと、中国出身者と台湾出身者の2人のみ。
児童数360人の小学校でたった2人。

そしてこの本によると日本に住んでいる外国人は276万635人。京都府の人口にほぼ等しいとある。

なお私の手元にある最新の資料によるとコロナ禍でもその数は増え続け293万人。京都の人口を追い越し茨城県の人口とほぼ同じだ。

外国人の数も増えたがそのルーツも実に多様になった。朝鮮半島、中国、台湾のオールドカマーよりも最近目につくのが、その他からの移民たち。
そんな移民たちの話を金井真紀さんが丁寧に取材して出来たのが本書。
この本で取材を受ける人も魅力的だが、金井真紀さんの異文化と人間をリスペクトする姿勢に感銘を受ける

国籍はあくまでも参考資料(もちろん敬意は払うべき)で、ちゃんと個人として評価すべき、対応すべきとの重要性を再確認。街かどで困っている外国人に声をかけるきっかけを作る日本人の背中を押す本でもある。

「中国人=中国政府」ではないし、「ミャンマー人=ミャンマー政府」ではない。
(この本とは直接関係は無いが「ロシア人=ロシア政府」になってないかな…)

これからの日本は外国人の流入は不可避。ちょっとでも彼等が住みやすくなる為にも、まずはリスペクトが必要。ヘイト本の対極にあるほっこり系の移民本で、安心して人に紹介できる。

中学生くらいから読める仕上がりなので教室に1冊レベルにオススメです。

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1CMF816IU47Y4/

Negative

世界のひと、というタイトルと表紙のイラストからカジュアルな本と思って手に取ったが、意外と重い背景だった。紛争中の国から逃げてきた人、家族を守るためにゲリラになっていた人、過酷な母国の情勢に心を砕きながらも日本で必死に暮らしている人。平和を享受している日本人に大きなインパクトを与えてくれる。なんとなく理解していたつもりの日本の難民申請の大変さも痛感した。

https://booklog.jp/users/hituji-san/archives/1/4479393951

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