“SAW” ソリッド・シチュエーション・スリラーの最長シリーズ

SAWは2025年にXIをリリースする予定を合わせると全11作となるスリラー長編作。

ソリッド・シチュエーション・スリラーに属する作品であるが、これは日本特有のカテゴリーのよう。ワンシチュエーション・スリラーとも呼ばれる。主人公が密閉された状況に閉じ込められた環境で、恐怖や脱出の奮闘を描くものを指す。

類似作品では、『CUBE』『オープン・ウォーター』『メメント』がある。これらと比較するとシリーズとしているのはSAWのみといえる。

◉ Saw ★★★★★

天才監督・ジェームズ・ワンが手掛けた考えられすぎたスリラー。ワイルド・スピード SKY MISSIONも手掛けているため、斬新な作品を送り込むのが得意なのかもしれない(彼自身の監督はこのSAWのみ、ストーリーはSAW3も関わっているようだが)。

公開当初、とにかく下馬評から盛り上がっていたのを思い出す。Twitterでも盛り上がっていたし、サイトの遊び心も盛り上げていた。これが20年の時を経て、全体11作品の大型シリーズになろうとは、この当時は思っていなかった。ギネス世界記録で「最も成功したホラー映画シリーズ」に認定されるのもうなずける。

このシリーズ超大作を生み出した初陣として、とにかく仕組まれた話の内容に惹かれ続ける。観たことない設定と状況、ジグソーという不気味すぎるキャラクター、猟奇的ゲーム。どれをとっても斬新であり、今のスリラーで参考にされまくっている異次元的な立ち位置だと思う。

ゲームという設定とジグソーというキャラクターもそうだが、殺し方がこの作品ならではの独創的なものだと思っている。よく見ると、描写や撮影の仕方が残虐だけで終わってない点がそう思わせる。

また、スリラーなのに謎解き要素があって、これも想像つかない。確かにゲームではある内容かもしれないが、映画では珍しかった。それを支える、カメラワークも。

どんなゲームの内容か、どんな人が選ばれて、どんな展開を待っているのか、どれをとってもまったく想像つかない。

実際にあるかもしれないゲームという設定と選ばれる人たち。現実世界で悪さをできない不思議な感覚に陥る。社会現象にもなるのもうなづけるし、これからも思い返すように観ることになるだろう。スリラー作品の原点として立ち続けるのだろう。

◉ Saw II ★★★★☆

SAWⅱはⅰと比較してホラー要素が強くなりすぎてビビりまくった印象が強かったが、改めて観ても変わらなかった。ただ、SAWが10作を超える大作になったのは、間違いなくⅱのこの内容であったからこそだと言える。

この作品は、ⅰと大きく構成を変えているが、制限やルール性は変わっていない。というのも、元々原作があり、それをⅰの続きとして改変し関係性を持たせたよう。

『生を尊重しない者は、生きるに値しない』

◉ Saw III ★★☆☆☆

シリーズの大きな分岐点がこの作品。分岐点と称しているのは、物語の内容もそうであるが、視聴者のこの作品自体の好き嫌い、これ以降を追っかけるか・物語や人間関係が気になるかという点。

1人の暴走が終始気になることと、ゲーム性とそのトリックが弱くも感じる。あと、登場人物らの関係性が弱くもある。

あくまで、ジグソーの意志の話がメインと感じる。この回のメインテーマは『ラブストーリー』『赦し』

※この後の作品は一旦保留。見直すほどではないかなと思う。とにかく、グロさと残虐性が上がり、過去と現在が複雑に交差することは覚えている。

SAWシリーズが人気になったのは、作品の内容や映像効果もあるだろうが、毎年コンスタントにリリースしていたこともあるように思う。

『怒りと復讐心は、愛する者を傷つける』

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