Interstellar

かなり久しぶりに観た作品ですが、行き着いた作品の主題をまとめます。

最初に観たのが2015年であるが、このときにはこの解釈までたどり着かなかった。

ただ、この点がこの作品の重要な点であるとわかったとき、この作品の良さが際立った。

◉ 相対性理論の不思議

もう一つの重要なテーマは、「相対性理論によって生まれる時間の不思議さ」と「重力の謎」です。この作品では、科学的な概念が単なる理論としてでなく、物語における重要な役割を果たします。

  • 時間の伸びと家族関係への影響
    ブラックホール「ガルガンチュア」の重力によって引き起こされる「時間の伸び」の描写は、単に科学的な現象としてだけでなく、登場人物たちの関係性に大きな影響を与えます。特にミラーの惑星での1時間が地球の7年に相当するという設定は、クーパーが家族と過ごすべき時間を奪われる切実な状況を生み出しています。彼の短い探索の間に娘が急速に成長してしまうことで、家族との間に時間のギャップが生じ、再会の難しさが強調されています。
  • 科学的探求と哲学的な問い
    相対性理論や重力の謎は、物語において哲学的な問いを投げかけます。ブラックホールやワームホールといった極限の空間で、「時間が異なるスピードで進む」「重力が時間に影響を与える」といった現象を体験することで、人間が宇宙の中でどう存在しているかという根本的な問いが浮かび上がります。テッセラクトのシーンでは、時間や空間が相互に繋がり、人間の感情や記憶が次元を超えて未来を変える力を持つことが示唆されています。

◉ 家族愛と人間の絆

主人公クーパーと彼の娘マーフの関係が物語の中心に位置し、全体を通じて「愛」や「絆」が持つ力が繰り返し強調されています。

  • クーパーとマーフの絆
    クーパーは地球を離れることで家族と長期間離れざるを得なくなりますが、彼の心の中には常に娘マーフの存在があります。相対性理論によって時間の進み方が異なるため、宇宙での彼の短い旅が地球では長い年月となり、成長した娘との再会が難しくなります。それでも、彼の心は常にマーフのもとにあり、彼の行動や決断の多くが家族を思う気持ちから生まれています。
  • 愛が科学を超えるというテーマ
    ブランド博士(アン・ハサウェイ演じるキャラクター)が「愛は時間や空間を超越する力」と語るシーンも、家族愛や人間の絆の重要性を強調しています。科学的な視点では説明できない感情が、決断や選択に深い影響を与えることを示しており、クーパーも最終的にはこの「愛」に基づいた選択をしています。彼がテッセラクトを通じて娘マーフと交信し、未来の地球を救うデータを伝える場面は、愛が時間や次元を超えて人類を救う鍵となることを象徴しています。

◉ 「家族愛」と「科学」の交差

「インターステラー」では、「家族愛」という人間の感情と「科学」という論理的な探求が交差することで、物語に奥行きが生まれています。

以下のように、愛と科学が互いに作用し合うことで、物語が単なるSFではなく、より普遍的なテーマに昇華されています。

  • 感情が決断を導くシーン
    ブランド博士が「エドマンズの惑星」への愛着を理由に選択しようとするシーンでは、科学的な決定と個人的な感情の葛藤が描かれます。理性に基づいた決定ではなく、「愛」が重要な役割を果たすことで、感情がどれほど強い動機となるかが示されています。
  • クーパーの選択と科学的使命の融合
    クーパーがテッセラクトで娘マーフと重力を通じてコミュニケーションを取るシーンでは、科学的な方法(量子データの伝達)と感情的な繋がり(父娘の絆)が結びつき、最終的に人類を救う力となります。この場面で、「愛」や「絆」が科学を補完し、未知の次元に影響を与える要素として描かれています。

上記らを考えると、類似している作品は『オーロラの彼方へ(2000年)』かも。

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